今月は応募総数も多く、各作品楽しく拝読しました。同時にすでに担当がついている作品とそうじゃない作品のレベルの差が大きかった印象があります。ネタ自体の良さも大切ですが、自分の考えたネタをどこまでねちっこく粘っこく考え抜き、面白さにつなげられるかが一番大切な気がします。上位２作品は、その点で抜きん出ていた印象でした。

絵はそんなに頑張らなくても、ちょっと変わった設定を作って、ギャグを交えながら展開し、泣けるエンディングを作れば、だいたいの新人賞で入賞できるでしょう。でも個人的には、設定やストーリーは地味でも、描線に魂を込めて人間の表情や身体を丁寧に描き、グサリと心に刺さる台詞で感情を伝えようとする、そんな作品が好きです。そんな作風の作家さんが売れたいと思った時、とんでもないものを見せてくれるような気がします。